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HANDEL
1742




MESSIAH

HWV 56
オラトリオ 英語
初演:1742年4月13日、ダブリン、ニュー・ミュージック・ホール
台本:チャールズ・ジェネンズ
原作:主として欽定英訳聖書(1611)

 《メサイア》はヘンデルの最も有名な作品で、上演も非常に頻繁です。

※題名の Messiah について。これは人名ではないので、オペラ御殿における「人名は各国語の表記に従う」には本来当てはまらないものです。しかし、これを《救世主》や《メシア》とすると、また別の問題が生じるので、便宜的に《メサイア》を採用します。


作曲と初演

 1741年2月10日、最後のオペラとなった《デイダミア》の最終公演(3回目の上演)がヘイマーケットの小劇場で終った時、ヘンデルのオペラ活動は完全に終止符を打ちました。彼の活動は春までいくつかの作品を再演するに留まりました。
 こうした状況のヘンデルに、ジェネンズは新しい計画を持ち出しています。聖書の言葉を翻案して作った台本を彼に与えたのです。これが《メサイア》です。
 ヘンデルにとってもう一つ重要なことは、アイルランド総督ウィリアム・カヴェンディシュからダブリンでの長期の演奏会の要請を受けたことです。
 ヘンデルが《メサイア》をダブリンでの上演のために作曲したのかどうか、つまりカヴェンディシュからの要請が《メサイア》の作曲のどの段階のものなのかについては、意見が分かれています。11月からのダブリンでの長期にわたる演奏活動の要請が9月になされたとは思いがたいということと、《メサイア》の編成がヘンデルのロンドンでのオラトリオに比べると相当に小規模なことを考えると、ヘンデルは《メサイア》の作曲前にダブリンからの要請を受けていたと考える方が自然なように思います。
 ヘンデルはいつもながら集中的に作曲にかかります。8月22日に作曲を開始し、9月14日には既に総譜を完成させているのです。これだけの充実した大作をわずか24日!で作曲したのです。
 ジェネンズの台本は、聖書や預言書の言葉を巧みにまとめたもので、メサイアの誕生、受難、復活、そしてその勝利を描いていますが、しかし具体的なドラマ性はあえて後退させています。したがってはっきりした役というものは存在しません。この点、ドラマ性の強いヘンデルの他の多くのオラトリオとはかなり異なっています。個々の曲は比較的短く、ソロと合唱のバランスがうまくとれていることが、A-B-A形式のアリアの連続に耐えられなかった19世紀の聴衆にもこの作品が受け入られた一つの要因でしょう。

 ヘンデルは旅行までの時間の余裕を使って大作「サムソン」の概要を書き上げ(なんとタフな!)、11月初め頃ロンドンを出発しています。
 ヘンデルはダブリンに1741年11月18日に到着し、12月23日の「陽気な人、思い耽る人、そして温和な人」で本格的な演奏活動を開始します。6回の予約演奏会が2シーズン行われ、「陽気な人、思い耽る人、そして温和な人」の他、「エイシスとガラテア」、「エステル」「アレクサンダーの饗宴」「ハイメン」(「イメーネオ」の演奏会用改作)などが複数回上演され、いずれも好評でした。  《メサイア》はこれらの予約演奏会の終りが近づいてきた3月27日なって始めて予告されました。4月9日に公開のリハーサルが行われ、この段階で非常に好評でした。前評判を聞きつけ4月12日の初演には人々が押し寄せました。もちろん大成功でした。ダブリンでは、5月25日の「サウル」の上演を挟んで、6月にもう一度上演(と公開リハーサル)が行われました。


台本

(準備中)


初演と再演

(準備中)


音楽

(準備中)


楽譜の状況

 ここではしばしば混乱の種となる様々な稿についてざっと触れておきたいと思います。
 人気作であるということはヘンデルの生前から上演が頻繁に行われたということで、それは即ちヘンデルが状況に合わせて様々な改編を残したことになります。実際、《メサイア》の楽譜はダブリンでの初演の段階で既に当初の作曲通りではありません。合唱については基本的に異動はありませんが、ソロの部分は上演のたびごとに多かれ少なかれ手を加えられつづけました。歌手が変わることによる楽譜の改訂(移調も含む)もあれば、楽譜には変更はなくとも受け持つ声種が変わることもありました。これも無視できない異動です。
 別ページで、大雑把な状況を一覧にしてみました。

ヘンデル《メサイア》 楽譜状況表


※ベルナールさんのサイト〈朝な夕なに〉の中に、『メサイア』使用楽譜一覧というページがあり、楽譜の異動についての説明と、80種以上のディスク(含モーツァルトなどの編曲もの)について楽譜の使用状況について詳細な報告がされています。



〈ハレルヤ〉での起立

 第2部の終わりに置かれている、有名な〈ハレルヤ〉では、聴衆が起立をする習慣があります。場合によっては聴衆も合唱に加わることもあります。
 このちょっと変わった慣習は、ジョージ2世が〈ハレルヤ〉で感動して立ち上がったことに由来する、と言われています。英国ではこの慣習は今でも一般的なようです。国王の行動が元になっているということからしても、正直なところ、宗教的な意味は乏しく、この起立の習慣は、《メサイヤ》上演で恒例のお楽しみとしての意味の方が強いと思います。
 日本でも起立や合唱に加わることが認められている、ないしは求められている演奏会もありますが、決して一般的なわけではありませんので、ご注意を。

参考資料

全音楽譜出版社 BVS-3
ISBN 4-11-718182-3

BÄRENREITER社の新全集のヴォーカルスコア BA 4012aを、ライセンスを受けて全音が出版しているもの。本体は、目次や脚註など、一部が日本語訳が添えられている他は全く変わりません。渡部惠一郎氏による別冊の資料集があるので、BÄRENREITER版を買うよりこちらがお勧め。

OXFORD UNIVERSITY PRESS
Full Score
ISBN-10: 0-19-336667-3
ISBN-13: 978-0-19-336667-1


OXFORD UNIVERSITY PRESS
Vocal Score
ISBN 0-19-336668-1

クリフォード・バートレット Clifford Bartlett 編。

EDITION PETERS No.7317

ドナルド・バローズ Donald Burrows 編。
ペータース版からは他にも多数の《メサイア》の楽譜が出ています。

NOVELLO
ISBN: 0-85360-211-5

ウォトキンズ・ショー Watkins Shaw 編。



 以下のCD紹介では、どのように楽譜を扱って演奏しているか、最低限の情報を加えることにします。スペースの関係上、略号を使います。

Tr:トレーブル(ボーイ・ソプラノ)、S:ソプラノ、A:女声アルト、CT:男声アルト(カウンター・テナー)、T:テノール、B:バス

Carolyn Sampson, Catherine Wyn-Rogers, Mark Padmore, Christopher Purves
The Sixteen
Harry Christophers
London, November 2007
CORO COR16062

Susan Gritton, Sara Mingardo, Mark Padmore, Alastair Miles
London Symphony Orchestra, Tenebrae Choir
Colin Davis
London, December 2006
London Symphony Orchestra LSO0607

Susan Hamilton, Annie Gill, Clare Wilkinson, Nicholas Mulroy, Heather Caincross, Matthew Brook, Edward Caswell
Dunedin Consort & Players
John Butt
Edinburgh, 1-4 May 2006
LINN CKD 285

ダブリン初演に基づく演奏
ソリスト S, A1, A2, A3, T, B1, B2
合唱 S, A, T, B
2-3:T, 5:B1, 6:B1 初期稿, 8-9:A1, 10-11:B1, 13:長, 14-16:S, 18:S 8分の12拍子 長, 19:A2, 20:A2 アルト・ソロ, 23:A2, 27:T, 29-30:S, 31-32:S, 34:T, 36:B1, 38-39:A1&A3 アルトの二重唱と合唱, 40:B2 短, 42-43:T レシタティーヴ, 45:S, 47-48:B1, 49:A1, 50:A1&T 短, 50:A2
この演奏は、かなりダブリン初演に近い形態でしょう。一般的にはテノールが受け持つことがほとんどの29-32をソプラノに歌わせたり、43番がレシタティーヴだったりと、非常に珍しい音楽になっています。
演奏は大変優秀、《メサイア》の初期の楽譜を使用した演奏では筆頭です。速いテンポで非常に軽快な音楽になっています。合唱もオーケストラもかなり小編成、特にオーケストラは、トランペット以外は管楽器を採用していません。ソリストは計6人。中では、ソプラノのスーザン・ハミルトンの透明な美声が絶品。12/8の Rejoice greatly も、ダル・セーニョを完全に実施しているにもかかわらず、全く長いと思わせません。
補遺として、6のレシタティーヴ、43のアリア(一般的なもの)を収録

Henry Jenkinson, Otta Jones, Robert Brooks, Iestyn Davies, Toby Spence, Eamonn Dougan
Academy of Ancient Music,Choir of New College Oxford
Edward Higginbottom
London, January 2006
NAXOS 8.570131-2

1751年の上演に基づく演奏

Kerstin Avemo, Patricia Bardon, Lawrence Zazzo, Kobie van Rensburg, Neal Davies
The Choir of Clare College, Freiburger Barockorchester
René Jacobs
Freiburg, January 2006
Harmonia Mundi France HMC901928.29

1750年5月の捨子養育院での上演に基づく演奏
合唱 S, A, T, B
ソリスト S, A, CT, T, B
2-3:T, 5:B, 6:CT, 8-9:A, 10-11:B, 13:長, 14-16:S, 18:S 4分の4拍子, 19:A, 20:AとCT アルト・ソロのものを分担している, 23:A, 27:T, 29-30:T, 31-32:S, 34:T, 36:CT, 38:CT アルト・ソロの稿, 39:合唱, 40:B 長, 42-43:T, 45:S, 47-48:B, 50:短, 49:A, 50:A&T 短, 52:CT
1750年5月の捨子養育院での上演をもとにしています。20番の He shall feed His flock like a shepherd では、アルト・ソロの音楽を用いながら、前半をコントラルト、後半をカウンターテノールと分担させています。この曲は、前半が旧約聖書のイザヤ書から、後半が新約聖書のマタイによる福音書から引用されているので、区別するために分けたのでしょう。How beautiful are the feet of them は、アルト・カストラートのための珍しいハ短調 8/12の音楽をカウンターテノールに歌わせています。
ヤーコプスということで予想される通り、バロックオペラでの手法を取り込んだ華やかで力強い演奏です(オーケストラには、ハープとリュートも加わっています)。必要とあらばためらうことなく激しい表現を取り入れており、27番や43番など、非常に劇的です。単なる派手な演奏ではなく、《メサイア》の本質をしっかりと掴んでおり、説得力は非常に大きい演奏です。歌手も全体に優れており、中でもコントラルトのパトリシア・バードンが見事。

Miriam Allan, Michael Chance, Marc LeBrocq, Christopher Purves
Hannoversche Hofkapelle, Maulbronner Kammerchor
Jürgen Budday
Kloster Maulbronn, 24 & 25 September 2005
K&K VERLAGSANSTALT KuK 20

Arianna Zukerman, Daniel Taylor, Steven Tharp, William Sharp
American Bach Soloists
Jeffrey Thomas
Davis, California, 17 & 18 December 2004
DELOS DE 3360

初演前の楽譜に基づく演奏
ソリスト S, CT, T, B
合唱 S, A, T, B
2-3:T, 5:B, 6:B 初期稿, 8-9:CT, 10-11:B, 13:短, 14-16:S, 18:S 8分の12拍子 長, 19:S, 20:S, 23:A, 27:T, 29-30:T, 31-32:T, 34:T, 36:B バスの稿, 38-39:S ソプラノ・ソロ, 40:B 長, 42-43:T, 45:S, 47:B, 48:B ダ・カーポ, 49:CT, 50:CT&T 長, 50:S
1741年の自筆譜に基づくとあり、6番のバスの稿、18番の12/8拍子の長い稿、36番のバスの稿、38-39番のソプラノ・ソロの稿、48番のダ・カーポなど、珍しい楽譜の選択をしています。
オーケストラにオーボエ×2、バスーン×2、ホルン×2が加わっており、ダブリン初演時の小編成のオーケストラではなく、ロンドンで上演した場合を想定しているようです。
演奏は、明るく軽快なもので悪くありません。ソプラノのズッカーマンが弱点。
CDの録音レベルがだいぶ低めです。

Christine Schäfer, Anna Larsson, Michael Schade, Gerald Finley
Concentus Musicus Wien, Arnold Schoenberg Chor Wien
Nikolaus Harnoncourt
Wien, 17 - 21 December 2004
deutsche harmonia mundi 82876 64070 2

Sharon Rostorf-Zamir, Maria Riccarda Wesseling, Kobie van Rensburg, Raimund Nolte
Lautten Compagney, Dresdner Kammerchor
Wolfgang Katschner
Bad Lauchstädt, 13 - 18 January 2004
deutsche harmonia mundi 88697164142

ヨハン・ゴットフリート・ヘルダーによるドイツ語版(1780)を使用。

Sara Macliver, Alexandra Sherman, Christopher Field, Paul McMahon, Teddy Tahu Rhodes
Orchestra of the Antipodes, Cantillation
Antony Walker
Sydney, 10-14 July 2002
ABC Classics CD 472 601-2





ABC Classics 472 604-9(DVD)

ソリスト Tr, S1, S2, CT, T, B
合唱S, A, CT, T, B
オーストラリアの古楽勢による演奏。一番の聞き物は、ソプラノのサラ・マクリヴァー。清澄な声と丁寧な表現が大変素晴らしいものです。他の歌手はあまり映えません。アントニー・ウォーカーとアンティポデスの演奏はまずまずというところ。全体としては中々良い演奏です。第2部のピリッとした感じは良いですが(所々ものすごく速いテンポで飛ばしてます)、遅いテンポでちょっと間延びするのが惜しい。録音が余りよくありません。

Conversum Musicum, Kokubunji Chamber Choir
Genzoh Takehisa
Tokyo,17, 18 April 2002
ALM RECORDS ALCD-1051, 1052

武久 源造とコンヴェルスム・ムジクス、国分寺チェンバーククワイアによる演奏。

Lynne Dawson, Guillemette Laurens, Charles Daniels, Antonio Abete
I Barocchisti, Coro della Radio Svizzera
Diego Fasolis
Lugano, 8 & 9 June 2000
ARTS 47627-2

ソリスト S, A, T, B
合唱 S, A, T, B
2-3:T, 5:B, 6:A, 8-9:A, 10-11:B, 13:長, 14-16:S, 18:S 4分の4拍子, 19:S, 20:S ソプラノ・ソロ, 23:A, 27:T, 29-30:T, 31-32:S, 34:T, 36:A, 38-39:S 短いソプラノ・ソロと合唱, 40:B 短, 42-43:T, 45:S, 47:B, 48:B ダ・カーポ, 49:A, 50:A&T 短, 52:S
小編成のピリオド楽器オーケストラによるすっきりとした演奏。ピリオド楽器演奏の中では柔らかい温かみに優れている演奏です。オーボエ×4とバスーン×2が加わっており、パイファの冒頭ではこの木管群が印象的な効果をあげています。また Rejoice greatly などいくつかの曲でヴァイオリンパートをソロにしているのも特徴です。第3部の The trumpet shall sound を、通常のダル・セーニョではなく、ダ・カーポで演奏しているのは珍しいでしょう。
ソリストは、リン・ドーソンが素晴らしいものの、他三人は今一つ。ギルメット・ロランスがだいぶ衰えてしまっています。
なお、トラックリスティングでは19番はアルトになっていますが、実際にはソプラノが歌っています。

Lynne Dawwson, Nicole Heaston, Magdalena Kozena, Charlotte Hellekant, Brian Asawa, John, Mark Ainsley, Russell Smythe, Brian Bannatyne-Scott
Choeur des Musiciens du Louvre
Les Musiciens du Louvre
Marc Minkowski
Paris, October 1997
ARVHIV PRODUKTION 417 341-2

Dorothea Röschmann, Susan Gritton, Bernarda Fink, Charles Daniels, Neal Davies
Gabrieli Consort & Players
Paul McCreesh
London, December 1996
ARCHIEV POCA-1139/40 (Japanese domestic)

1754年5月の捨子養育院での上演に基づく演奏
ソリスト S1, S2, A, T, B
合唱 S, A&CT, T, B
2-3:T, 5:B, 6:S2 ト短調, 8-9:A, 10-11:B, 13:短いもの, 14-16:S1, 18:S1 4分の4拍子, 19:S2, 20:S2 ソプラノ・ソロ, 23:A, 27:T, 29-30:T, 31-32:S2, 34:T, 36:S1 ト短調, 38-39:S2 短いソプラノ・ソロと合唱, 40:B 短, 42-43:T, 45:S2, 47-48:B, 49:A, 50:A&T 短, 52:S1
1754年5月15日の捨子養育院での上演をもとにしています。6番と36番はソプラノのためのト短調の音楽、40番は短いもの、などが珍しい選択。
マクリーシュらしい、クールで厳しい演奏で、整然としたアンサンブルから生まれる硬質でクリアな感触は見事。しかし、速い音楽では突進させたり、遅い曲では人工的に引き伸ばしたり(アーメンコーラスなど)、作為的な音楽作りは、ヘンデルではマイナスです。
ソリストは総じて優秀。ドロテア・レッシュマンとスーザン・グリットンの二人のソプラノが素晴らしい歌を聞かせてくれます。

Julianne Baird, Jennifer Lane, David Price, Kevin Deas
Ama Deus Ensemble
Valentin Radu
Pennsylvania, 6-8 July 1994

1749年コヴェントガーデン劇場での上演に基づく演奏
ソリスト S, A, T, B
合唱S, CT, T, B
2-3:T, 5:B, 6:A, 8-9:A, 10-11:B, 13:長, 14-16:S, 18:S 4分の4拍子, 19:A, 20:A&S ソプラノと女声アルトの二重唱, 23:A, 27:T, 29-30:T, 31-32:S, 34:T, 36:A, 38-39:S 短いソプラノ・ソロと合唱, 40:B 長, 42-43:T, 45:S, 47-48:B, 47:A, 50:A&T 短, 52:S
1749年のコヴェントガーデン劇場での上演に基づくと表記があります。しかしこの時はトレーブルを使っているので、完全な再現というわけではありません。
演奏は荒っぽくキリキリ締めあげたもの。

Midori Suzuki, Yoshikazu Mera, John Elwes, David Thomas
Bach Collegium Japan
Masaaki Suzuki
Kobe, December 1996
BIS 891/892

1753年4月のコヴェントガーデン劇場での上演に基づく演奏
ソリスト S, CT, T, B
合唱 S, A, T, B
2-3:T, 5:B, 6:CT, 8-9:CT, 10-11:B, 13:長, 14-16:S, 18:S 4分の4拍子, 19:S, 20: CT&S 男声アルトとソプラノの二重唱, 23:CT, 27:T, 29-30:T, 31-32:S, 34:T, 36:CT, 38-39:S 短いソプラノ・ソロと合唱, 40:B 短, 42-43:T, 45:S, 47-48:B, 49:CT, 50:CT&T 短, 50:CT
鈴木 雅明とバッハ・コレギウム・ジャパンの演奏。ソリストに鈴木 美登里と米良 美一が参加しています。
1753年4月13日のコヴェントガーデン劇場での上演の形態をもとにしているとあります。二本のオーボエとファゴットを適宜使用しています。

Lynne Dawson, Hillary Summers, John Mark Ainsley, Alastair Miles
Brandenburg Consort, The Choir of King's College Cambridge
Stephen Cleobury
Leiden, Nederland, 1994
BRILLIANT CLASSICS 92520(DVD)


BRILLIANT CLASSICS 92463

合唱 Tr, CT, T, B
ソリスト S, A, T, B
2-3:T, 5:B, 6:A, 8-9:A, 10-11:B, 13:長, 14-16:S, 18:S 4分の4拍子, 19:S, 20: ソプラノ・ソロ, 23:A, 27:T, 29-30:T, 31-32:S, 34:T, 36:A, 38-39:S 短いソプラノ・ソロと合唱, 40:B 短, 42-43:T, 45:S, 47-48:B, 49:A, 50:A&T 短, 52:S
オランダ、ライデンの聖ピータース教会での上演のライヴ。由緒ある教会に蝋燭を点しての映像は良い雰囲気を醸しています。
声の配分、楽譜の選択は、1992/93年のARGO録音と同一です。演奏の傾向もほぼ同じですが、ライヴなだけに、傷はあれども、こちらの方が演奏に熱があります。

Tommy Williams, Barbara Schlick, Sandrine Piau, Andreas Scholl, Mark Padmore, Nathan Berg
Les Arts Florissants
William Christie
December 1993
Harmonia Mundi France HMC901498.99

ソリスト Tr, S1, S2, CT, T, B
合唱S, A&CT, T, B
2-3:T, 5:B, 6:CT, 8-9:CT, 10-11:B, 13:長, 14-16:Tr, 18:S2 4分の4拍子, 19:S1, 20:CT&S1 カウンターテノールとソプラノの二重唱, 23:CT, 27:T, 29-30:T, 31-32:S1, 34:T, 36:S2 ト短調, 38-39:S1 短いソプラノ・ソロと合唱, 40:B 長, 42-43:T, 45:S1, 47-48:B, 49:CT, 50:CT&T 短, 52:S2
ピリオド楽器オーケストラ。コンサートマスターはヒロ・クロサキです。オーボエ、ファゴット、ホルンが各2本加わっています。楽譜の選択は比較的一般的なもので、36番の Thou art gone up on high がソプラノのためのト短調の音楽というのが珍しいくらい。
ウィリアム・クリスティらしい知的でキリリと引き締まった演奏です。ただちょっと整然とし過ぎて感触が冷たくなってしまった気もします。
ソリストでは、アンドレアス・ショルが群を抜いて素晴らしく、マーク・パドモア、サンドリーヌ・ピオーが続きます。

Lynne Dawson, Hilary Summers, John Mark Ainsley, Alastair Miles
The Brandenburg Consort, The Choir of King's College, Cambridge
Stephen Cleobury
Cambridge, 16-18 December 1992 & 14-16 March 1993
LONDON POCL-1488/9(Japanese domestic)

1752年3月のコヴェントガーデン劇場での上演に基づく演奏
合唱 Tr, CT, T, B
ソリスト S, A, T, B
2-3:T, 5:B, 6:A, 8-9:A, 10-11:B, 13:長, 14-16:S, 18:S 4分の4拍子, 19:S, 20: ソプラノ・ソロ, 23:A, 27:T, 29-30:T, 31-32:S, 34:T, 36:A, 38-39:S 短いソプラノ・ソロと合唱, 40:B 短, 42-43:T, 45:S, 47-48:B, 49:A, 50:A&T 短, 52:S
1752年3月25、26日のコヴェントガーデン劇場での上演の形態を基にしています。これはソリストにソプラノ、コントラルト、テノール、バスと、今日上演する際の標準的なソリストの配置をしているのが特色です。
演奏はこじんまりした品の良いものです。ただ、上記の通り、合唱の上声部にトレーブルとカウンターテナーを用いているのですが、これがあまり上手くなく、マイナスとなっています。

Kym Amps, Helen Parker, Frances Jellard, Angus Davidson, Robin Doveton, John Bowen, David van Asch, Adrian Peacock
The Scholars Baroque Ensemble
London, 6-9 July 1992
NAXOS 8.550667-668

ダブリン初演に基づく演奏
ソリスト S1, S2, A, CT, T1, T2, B1, B2
合唱 S, CT, T, B
2-3:T1, 5:B1, 6:B1 初期稿, 8-9:CT, 10-11:B2, 13:長, 14-16:S1, 18:S1 8分の12拍子 短, 19:S, 20:S2 ソプラノ・ソロのもの, 23:CT, 27:T2, 29-30:T1, 31-32:T1, 34:T, 36:B1, 38-39:CT&A アルトの二重唱と合唱, 40:B2 長, 42-43:T2, 45:S1, 47-48:B1, 49:CT, 50:CT&T 短, 50:A
解説に初演の形態を忠実に再現しようと試みたとあるように、かなり草稿や初演時を意識した楽譜の選択をしています。ただし完全に忠実というわけでもありません。
オーケストラもごく小編成の弦楽器中心のもので、トランペット×2以外には管楽器は全く含まれません。
外側からはソリストすら分からないという困ったCDです。演奏そのものは、すらっとした透明なもので、充実したものです。ソリスト(合唱団員がソロを務める形)に凸凹があるのがやや難。
指揮者の名前はありません。バスのヴァン・アッシュが中心となっているようです。

Karen Clift, Catherine Robbin, Bruce Fowler, Victor Ledbetter
Boston Baroque Orchestra & Chorus
Martin Pearlman
Massachusetts, 18-22 May 1992
TELARC 80322

ソリスト S, A, T, B
合唱S, A, T, B
2-3:T, 5:B, 6:A, 8-9:A, 10-11:B, 13:長, 14-16:S, 18:S 4分の4拍子, 19:A, 20:A&S 女声アルトとソプラノの二重唱, 23:A, 27:T, 29-30:T, 31-32:T, 34:T, 36:A, 38-39:S 短いソプラノ・ソロと合唱, 40:B 長, 42-43:T, 45:S, 47-48:B, 49:A, 50:A&T 短, 52:S
オーボエ×2とバスーン×1が加わっています。
力みのないさばさばした演奏で、反面、活気や熱気には欠けます。ソリストでは、ソプラノのカレン・クリフトの清明な声が魅力的。一方、テノールのブルース・フォウラーは力不足。

Joan Rodgers, Della Jones, Christopher Robson, Philip Langridge, Bryn Terfel
Collegium Musicum 90
Richard Hickox
London, 11-17 January 1991
CHANDOS CHAN 0522/3

ソリスト S, A, CT, T, B
合唱 S, A, T, B
2-3:T, 5:B, 6:CT, 8-9:A, 10-11:B, 13:短いもの, 14-16:S, 18:S 4分の4拍子, 19:A, 20:A アルト・ソロ, 23:A, 27:T, 29-30:T, 31-32:T, 34:T, 36:CT, 38-39:S 短いソプラノ・ソロと合唱, 40:B 長, 42-43:T, 45:S, 47-48:B, 49:CT, 50:CT&T 短, 52:S
特に明記されていませんが、ソプラノ、女声アルト、男声アルト、テノール、バスというソロの割り振りと楽譜の選択からすると、1750年5月の捨子養育院での上演をもとにしているのかもしれません。
ヒコックスの指揮は積極性があり切れ込みが良い反面、やや作為的な部分もあります。
ソリストは充実しています。

Lorraine Hunt, Janet Williams, Patricia Spence, Drew Minter, William Parker
Philharmonia Baroque Orchestra, U.C. Berkeley Chamber Chorus
Nicholas McGegan
Berkeley, 4-7 January 1991
HARMONIA MUNDI FRANCE HMU 907050/52

異稿を多数収録
ソリスト S1, S2, A, CT, T, B
合唱 S, A, T, B
2-3:T, 5:B, 6:CT, 8-9:A, 10-11:B, 13:長, 14-16:S2, 18:S1 4分の4拍子, 19:A, 20:A&S1 アルトとソプラノの二重唱, 23:A, 27:T, 29-30:T, 31-32:T, 34:T, 36:CT, 38-39:S1 短いソプラノ・ソロと合唱, 40:B 長, 42-43:T, 45:S1, 47-48:B, 49:CT, 50:CT&T 短, 52:S2
本体の演奏に使用された楽譜は以上の通りです。しかし、このCDの面白いところは、多数の補遺を収録していることです。
5:序奏付き, 6:バスのための初期稿、ソプラノ、初演時のバスのためのレシタティーヴ, 14:アリオーソ, 16:8分の12拍子 長, 20:アルト(CTがが歌っています)、ソプラノ, 36:バス、ソプラノのト短調(Aが歌っています), 38-39:ソプラノのダル・セーニョ・アリア、二人のアルトのニ重唱、アルトのためのアリア、39:テノールのアリオーソ, 40:B 短, 43:レシタティーヴ, 50:レシタティーヴ
演奏は、ソリストと合唱が弱く、今一つ楽しめるものではありません。補遺の価値が高いでしょう。

Patricia Schuman, Lucia Valentini Terrani, Bruce Ford, Gwynne Howell
I Solisti Veneti, The Ambrosian Singers
Claudio Scimone
Schio, 23-30 June 1989
ARTS 47105-2

合唱 S, A, T, B
2-3:T, 5:B, 6:A, 8-9:A, 10-11:B, 13:長, 14-16:S, 18:S 4分の4拍子, 19:A, 20:A&S 女声アルトとソプラノの二重唱, 23:A, 27:T, 29-30:T, 31-32:T, 34:T, 36:A, 38-39:S 短いソプラノ・ソロと合唱, 40:B 短, 42-43:T, 45:S, 47-48:B, 49:A, 50:A&T 短, 52:S
イングランド系ないしはドイツ系の演奏が多い中、珍しくイタリア的感覚の《メサイア》です。小編成とはいえモダン楽器でレガートに演奏していますので、かなり艶やかに聞こえます。シモーネの早めのテンポが気持ち良いです。
 ソリストは皆オペラティックに歌っていますが、出来は一長一短。

Emma Kirkby, Emily Van Evera, Margaret Cable, James Bowman, Joseph Cornwell, David Thomas
Taverner Choir & Players
Andrew Parrott
London, April 1988
Vergin veritas 5 62004 2

ソリスト S1, S2, CT, T, B
合唱S, A&CT, T, B
2-3:T, 5:B, 6:CT, 8-9:A, 10-11:B, 13:短, 14-16:S2, 18:S1 4分の4拍子, 19:CT, 20:CT&S カウンターテノールとソプラノの二重唱, 23:A, 27:T, 29-30:T, 31-32:S2, 34:T, 36:CT, 38-39:S 短いソプラノ・ソロと合唱, 40:B 短, 42-43:T, 45:S1, 47-48:B, 49:CT, 50:CT&T, 52:A

Arleen Augér, Anne Sofie von Otter, Michael Chance, Howard Crook, John Tomlinson
English Concert, English Concert Choir
Trevor Pinnock
London, January 1988
ARCHIV 477 5904

ソリスト S, A, CT, T, B
合唱 S, A, T, B
2-3:T, 5:B, 6:CT, 8-9:A, 10-11:B, 13:短いもの, 14-16:S, 18:S 4分の4拍子, 19:A, 20:A&S 女声アルトとソプラノの二重唱, 23:A, 27:T, 29-30:T, 31-32:S, 34:T, 36:CT, 38-39:S 短いソプラノ・ソロと合唱, 40:B 長, 42-43:T, 45:S, 47-48:B, 49:CT, 50:CT&T 短, 50:A
ピノックはいつもながらのっぺりしたリズムの平板な音楽で、聞いていて歯がゆくなります。He was despised など全く止まった音楽になっています。
歌手はソプラノからテノールまでは概ね良しなのですが、トムリソンの品のない声が大ミス・キャスト。

Kathleen Battle, Florence Quivar, John Aler, Samuel Ramey
Toronto Symphony Orchestra, Toronto Mendelssohn Choir
Andrew Davis
Kitchener, Ontario, 22 & 23 December 1986
EMI CLASSICS 2 17645 2

Lynne Dawson, Catherine Denley, David James, Maldwyn Davies, Michael George The Sixteen Choir and Orchestra
Harry Christophers
London, 16, 17, 19, 20 December 1986
hyperion CDD22019

Margaret Price, Hanna Schwarz, Stuart Burrows, Simon Estes
Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks, Chor des Bayerischen Rundfunks
Colin Davis
München, 27 October - 5 November 1984
PHILIPS ELOQUENCE 480 0120

ソリスト S, A, T, B
合唱 S, A, T, B
2-3:T, 5:B, 6:A, 8-9:A, 10-11:B, 13:長, 14-16:S, 18:S 4分の4拍子, 19:A, 23:A, 27:T, 29-30:T, 31-32:T, 34:T, 36:B, 38-39:S 短いソプラノ・ソロと合唱, 40:B 長, 42-43:T, 45:S, 47-48:B, 49:A, 50:A&T 短, 52:S
23番の He was despised は、ダ・カーポ時に前奏部分をカットしています。36番はわりと珍しいバスの稿を用いています。
やや大きめの編成のモダン楽器オーケストラによる演奏。基本的には英国伝統に根ざしたしっかりとした演奏ですが、その中にかなり思い切った個性的表現を加味しています。25番の And with His stripes we are healed を無伴奏合唱で静かにゆったりと歌い上げさせているのには驚かされました。また、随所で弦をソロで弾かせて効果をあげています。
合唱は極めて優秀。一方ソリストは四人とも今一つで、ことにハンナ・シュヴァルツがだいぶ異質。

Margaret Marshall, Catherine Robbin, Charles Brett, Anthony Rolfe-Johnson, Robert Hale, Saul Quirke
English Baroque Soloists
John Eliot Gardiner
London, 11-20 November 1982
PHILIPS 411 041

ソリスト
合唱S, CT, T, B
2-3:T, 5:B, 6:CT, 8-9:A, 10-11:B, 13:長, 14-16:Tr, 18:S 8分の12拍子, 19:A, 20:A&S 女声アルトとソプラノの二重唱, 23:A, 27:T, 29-30:T, 31-32:S, 34:T, 36:CT, 38-39:S 短いソプラノ・ソロと合唱, 40:B 長, 42-43:T, 45:S, 47-48:B, 49:A, 50:A&T 短, 52:S
各種の稿を参考に独自の選択をしています。
ガーディナーは出来不出来の差の激しい人ですが、この《メサイア》は当たりです。ソリストも合唱も非常に良くコントロールされており、常に柔らかさを失いません。その一方でダイナミックな部分でのリズムの立ち方の小気味よく、素晴らしいものです。

Andrew J. King, Jennifer Smith, Charles Brett, Martyn Hill, Ulrik Cold
La Grande Écurie et la Chambre du Roy, Worcester Cathedral Choir
Jean-Claude Malgoire
Paris, 5-10 July 1980
SONY CLASSAL SB2K 63001

ダブリン初演に基づく演奏
ソリスト Tr, S, CT, T, B
合唱 Tr, CT, T, B
2-3:T, 5:B, 6:B 初期稿, 8-9:CT, 10-11:B, 13:長, 14-16:Tr, 18:S 8分の12拍子 混合, 19:S, 20:S ソプラノ・ソロ, 23:CT, 27:T, 29-30:T, 31-32:T, 34:T, 36:B, 38-39:S ソプラノ・ソロのダ・カーポ・アリア, 40:B 長, 42-43:T, 45:S, 47-48:B, 49:CT, 50:CT&T 短, 52:S
1742年ダブリン稿を使用と明記してありますが、さらに20番をソプラノソロ、38番をソプラノのダ・カーポ・アリアにするなど、草稿時の楽譜にまで遡っていると思しき選択もしています。
マルゴワールらしいひなびた響きを積極的に活用した演奏。合唱のソプラノ・パートをトレーブルにしているのが特色です。ソプラノ・ソロもトレーブルで、第13曲など、かなりおっかなびっくりなのはマイナス。
Rejoice greatly は12/8で、前半と中間部は長い稿を、後半は短い稿を用いるという、折衷的な扱いをしています。

Judith Nelson, Emma Kirkby, Carolyn Watkinson, Paul Elliott, David Thomas
Acadmy of Ancient Music, Choir of Christ Church Cathedral, Oxford
Christopher Hogwood
London, September 1979
POCL 4166/7

1754年5月の捨子養育院での上演に基づく演奏
ソリスト S1, S2, A, T, B
合唱 Tr, CT, T, B
2-3:T, 5:B, 6:S2 イ短調, 8-9:A, 10-11:B, 13:短, 14-16:S1, 18:S1 4分の4拍子, 19:S, 20:S1 ソプラノ・ソロ, 23:A, 27:T, 29-30:T, 31-32:S1, 34:T, 36:S2 ト短調, 38-39:S1 短いソプラノ・ソロと合唱, 40:B 長, 42-43:T, 45:S1, 47-48:B 長, 49:A, 50:A&T 短, 52:S2
1754年5月15日の捨子養育院での上演をもとにしています。6番はソプラノのためのイ短調の音楽、36番はソプラノのト短調の音楽。
時代楽器演奏による《メサイア》のはしりの演奏で、今となってはややツメが足りない部分もありますが、穏やか系の演奏としての価値はいまでも十分あります。

Felicity Palmer, Helen Watts, Ryland Davies, John Shirley-Quirk
English Chamber Orchestra, English Chamber Orchestra Choir
Raymond Leppard
London, 1974
ERATO BMG VICTOR.INC. B18D-39175-77 (Japanese domestic)

ソリスト S, A, T, B
合唱 S, A, T, B
ロンドン、クリップルゲイトのセント・ジャイルズ教会での収録。
ピリオド時代のスタイルを先駆する演奏であると同時に、英国伝統の中庸なヘンデルの温かみも感じさせてくれる演奏です。ただ、常にヴィブラートがかかる弦や、合唱を含めた歌のまどろっこしさ(ことに装飾のたどたどしいバス)は、演奏スタイルが今風に近いだけに、かえって気になってしまいます。
トランペット・ソロはフィリップ・ジョーンズ。

Elly Ameling, Anna Reynolds, Philip Langridge, Gwynne Howell
Acadmy and Chorus of St Martin-in-the-Fields
Neville Marriner
Lodon, January & July 1976
DECCA 421 234

1743年のロンドンでの上演に基づく演奏
ソリスト S, A, T, B
合唱 S, A, T, B
2-3:T リトルネッロの長いもの, 5:B 導入あり, 6:B , 8-9:A, 10-11:B, 13:長, 14-16:S アリオーソ, 18:S 8分の12拍子, 19:A, 20:A 女声アリアのソロ, 23:A, 27:T, 29-30:S, 31-32:T, 34:T, 36:B, 38:S&A ソプラノとアルトの二重唱と合唱, 39:T テノールのアリオーソ, 40:B 短, 42-43:T, 45:S, 47-48:B, 47:A, 50:A&T 長, 50:A
クリストファー・ホグウッドが1743年のロンドンでの上演をもとに編集した楽譜をしようとあります。しかしここでの楽譜の選択は明かにそれ以上に慣用的な楽譜の使用に反旗を翻したものです。特に長いリトルネッロを使った3番、導入ありの5番、アリオーソの14番、テノールのアリオーソの39番などは、珍しいものばかりです。
演奏は、版のことを置いても注目できる素晴らしいもの。モダン楽器での演奏とはいえ、時代楽器演奏の時代の直前だけに大した違和感は感じません。マリナーの指揮は躍動感のあるイキの良いものです。ソリストではテノールのラングリッジが絶賛に値します。ハウエルも上々。それに比べるとソプラノのアメリング(装飾がおぼつかない)とコントラルトのレイノルズ(声がバロックに合わない)の二人の女声がちょっと落ちます。合唱の優秀さも特筆。

Elizabeth Harwood, Janet Baker, Paul Esswood, Robert Tear, Raimund Herincx
English Chamber Orchestra, Ambrosian Singers
Charles Mackerras
London, 1966
EMI CLASSICS 5 69449 2

Elizabeth Schwartzkopf, Grace Hoffman, Nicolai Gedda, Jerome Hines
Philharmonia Orchestra, Philharmonia Chorus
Otto Klemperer
London, February - September 1964
EMI Records CMS 7 63621 2

ソリスト S, A, T, B
合唱 S, A, T, B
2-3:T, 5:B, 6:B アルトの稿をバスで, 8-9:A, 10-11:B, 13:短いもの, 14-16:S, 18:S 4分の4拍子, 19:A, 20:A&S 女声アルトとソプラノの二重唱, 23:A, 27:T, 29-30:T, 31-32:S, 34:T, 36:CT, 38-39:S 短いソプラノ・ソロと合唱, 40:B 長, 42-43:T, 45:S, 47-48:B, 49:CT, 50:CT&T 短, 50:A
かなり遅いテンポのスケール雄大な演奏ですが、クレンペラーの明快な客観的視点によってしっかりとした構成感を持っています。ソリストと大編成の合唱にはだいぶ問題あり。

Ingrid Bjoner, Hertha Töpper, Josef Traxel, Kieth Engen
Berliner Symphoniker, Chor der St. Hedwigs-Kathedrale, Berlin
Karl Forster
eurodisc BMG CLASSICS GD 69088

ドイツ語。ペータースの楽譜を使用とあります。1960年代初頭の録音。

Joan Sutherland, Grace Bumbry, Kenneth McKellar, David Ward
London Symphony Orchestra, London Symphony Chorus
Adrian Boult
London, 1961
LONDON 433 003-2

合唱 S, A, T, B
2-3:T, 5:B, 6:A, 8-9:A, 10-11:B, 13:長, 14-16:S, 18:S 4分の4拍子, 19:A, 20:A&S 女声アルトとソプラノの二重唱, 23:A, 27:T, 29-30:T, 31-32:T, 34:T, 36:B, 38-39:S 短いソプラノ・ソロと合唱, 40:B 長, 42-43:T, 45:S, 47-48:B, 49:A, 50:A&T 短, 52:S

 ボールトのステレオでの再録音。

Alarie, Merriman, Simoneau, Standen
Vienna State Opera Orchestra
Scherchen
Wien, 1958
WESTMINSTER MVCW 14029/31

合唱S, A, T, B
2-3:T, 5:B, 6:A, 8-9:A, 10-11:B, 13:長, 14-16:S, 18:S 4分の4拍子, 19:A, 20:A&S 女声アルトとソプラノの二重唱, 23:A, 27:T, 29-30:T, 31-32:T, 34:T, 36:B, 38-39:S 短いソプラノ・ソロと合唱, 40:B 長, 42-43:T, 45:S, 47-48:B, 49:A, 50:A&T 短, 52:S
どういうわけか初版から最近のCDまで「ダブリン稿 original Dublin version」と表示されていますが、上記の通り、実際には後の改訂稿を多く取り入れた演奏で、表示に偽りありです。
遅い部分は極めて遅く演奏しています。一方で速いテンポの部分は軽快。アンサンブルが荒っぽいのが難。

Jennifer Vyvyan, Norma Procter, George Maran, Owen Brannigan
London Philharmonic Orchestra, London Philharmonic Choir
Adrian Boult
London, 1954
BELART 461 629-2

ソリスト S, A, T, B
合唱 S, A, T, B
2-3:T, 5:B, 6:A, 8-9:A, 10-11:B, 13:長, 14-16:S, 18:S 4分の4拍子, 19:A, 20:A&S 女声アルトとソプラノの二重唱, 23:A, 27:T, 29-30:T, 31-32:T, 34:T, 36:B, 38-39:S 短いソプラノ・ソロと合唱, 40:B 長, 42-43:T, 45:S, 47-48:B, 49:A, 50:A&T 短, 52:S
 大編成の厚い響きの《メサイア》で、歌(ことに合唱)はかなり古めかしいもの。しかしボールトの丁寧で温かみのある音楽には大きな魅力があります。




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1735 1736 1737 1738 1739
1740 1741 1742 1743 1744
1745 1746 1747 1748 1749
1750 1751 1752 1757
Appendix 1 Appendix 2 Appendix 3


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