新着情報
ロッシーニ モイーズとファラオン 対訳付き音楽設計図および解説。
ヘンデル エジプトのジューリオ・チェーザレ 対訳付き音楽設計図完成。
主な追加アリアなどや楽曲解説は追って。
ヘンデル シッラ あらすじ付き音楽設計図
ヘンデル ジョシュア/ヨシュア 対訳付き音楽設計図
ロッシーニ 湖の女/湖上の美人/湖上の美女 対訳付き音楽設計図
ロッシーニ デメートリオとポリービオ 対訳付き音楽設計図
ロッシーニ ひどい誤解 対訳付き音楽設計図
ロッシーニ セミラーミデ 対訳付き音楽設計図
モニューシュコ 幽霊屋敷 あらすじ付き音楽設計図
ヘンデル ソロモン 対訳付き音楽設計図 (楽曲解説は後日)
ロッシーニ リッチャルドとゾライデ 対訳付き音楽設計図 (楽曲解説は後日)
ヘンデル アリオダンテ 対訳付き音楽設計図 (楽曲解説は後日)
ヘンデル アルチーナ 対訳付き音楽設計図 (楽曲解説は後日)
ヘンデルフェスティバルジャパン公演で、ヘンデルのジョシュア(ヨシュア)。
ジョシュアは、1745年から1746年にかけておこったジャコバイトの反乱とそれに対する英国軍の完全な勝利を反映した4つの作品のうち、最後に作曲された作品で、残りの3作は、機会オラトリオ(1746年2月14日初演)、ジューダス・マカビーアス(1747年4月1日初演)、アレグザンダー・バラス(1748年3月23日初演。ジョシュアは初演ではアレグザンダー・バラスの半月前の1748年3月9日に初演。
この4作の中では圧倒的にジューダス・マカビーアスが人気が高い。この作品は、ジャコバイトの反乱を鎮圧したカンバーランド公ウィリアム・オーガスタスをジューダスに重ねて称賛する内容。
ジョシュアは、ジューダス・マカビーアスの大成功を受けて、ヨシュア記のヨシュア/ジョシュアをカンバーランド公に重ねる、という点でジューダス・マカビーアスの路線を踏襲しているが、しかし作品の仕立ては少々異なる。ジューダス・マカビーアスがじっくりした展開で物語がある程度一貫しているのに対し、ジョシュアでは3幕に13場の様々なエピソードを羅列し、物語の一貫性ではなく次々と場面が移り変わることを重視している。これは、戦勝高揚気分が少し収まってきたことから、戦争をダイジェスト的に見ようという姿勢の表れだろうか。
ジョシュアは、音楽的には素晴らしい曲が多々あるにもかかわらず、人気はジューダス・マカビーアスに遠く及ばず、今日でも上演頻度は多くない。
問題点は二つある。
第一に、作品を理解するには旧約聖書の知識やジャコバイトの反乱の知識を要すること。今回、上演に合わせてトマス・モレルの台本を全文訳してみてよく分かったが、各場面は観客にヨシュア記や出エジプト記の知識が十分にあることを前提に書かれている。さらにその上で、各場面がどのようにジャコバイトの反乱とカンバーランド公を示めしているかの理解が求められている。初演時であれば容易に理解できであろうことは、当然その後は分かりづらくなってしまった。
ヘンデルのシッラ、あらすじ付き音楽設計図を作った。
だいぶ簡潔なあらすじにしてしまったけれど、シッラならばこれで十分だろう。
というのも、シッラはバロックオペラにしても展開がかなり唐突で、物語を理解しながら聞こうとすると面食らってしまう。それを適当にうっちゃりながら、アリアが歌われる状況の理解を優先して聞いた方が良いと思う。音楽的には優れた曲が少なくない。
神奈川県立音楽堂の公演に合わせて、GLOSSAから出たファビオ・ビオンディが指揮したCDに解説の日本語訳と台本の伊日対訳が冊子でつけられたり、日本ヘンデル協会がのシッラの解説、伊日対訳を冊子で出し、両方参考にさせてもらった。
対訳は、正直、一長一短で、どちらも役に立つ一方で、どちらにも少々勇み足(歌詞の解釈を考え過ぎてかえっておかしくしてしまっている)のところもある。解説の見解の違いもあるので、可能であれば両方持っていていいと思う。
なお日本ヘンデル協会の対訳は、1713年の時の印刷台本に基づいて作られているので、ところどころ楽譜の歌詞と異なっている個所がある。いっぽうこちらは便利な注を多く付けているのがありがたい。
なお、御殿のあらすじ付き音楽設計図は Bärenreiter の楽譜を基にしているが、CD2種の演奏はこれを用いておらず(たとえば、シッラの一番最初の台詞が異なっている)、結果的にどの録音も対訳も Bärenreiter 譜とは異なっている。
ついでだが、今回から楽曲解説部分はCSSで完全横2段組にすることにした(これまでは1段横500pxを指定していたので、横長過ぎると3段組になった)。したがって横長画面で閲覧すると1行が長すぎることもあるかもしれないので、その場合はブラウザの幅を適宜絞って見ていただきたい。
ヘンデルフェスティバルジャパンの公演で、ヘンデルのジョシュア/ヨシュア。
ジョシュアはヘンデルの英語のオラトリオの中でも、全然ではないにしてもあまり人気がない作品。まさか日本で上演を聞けるとは思わなかったので、対訳付き音楽設計図を作り、楽譜を見ながらCDを4種聞いて、よく予習してから公演に臨んだ。
ジョシュアは、1745年から1746年にかけて英国で起こったジャコバイトの反乱(詳しくは検索を)とそれに対する英国軍の完全な勝利を反映した一連の作品群の一つである。他の3作は、機会オラトリオ(1746年2月14日初演)、ジューダス・マカビーアス(1747年4月1日初演)、アレグザンダー・バラス(1748年3月23日初演)。ジョシュアは作曲順では最後に書かれた。
主人公を、英国軍を率いカロデンの戦いでジャコバイト軍に完勝したウィリアム・オーガスタス,カンバーランド公に重ねているという点で、ジョシュアは、大成功を収めたジューダス・マカビーアスの路線を引き継ぐ作品ではある。ただし、同じ台本作家 トマス・モレル でありながら、作劇の方向性は少し異なる。ジューダス・マカビーアスが基本的に劇として一貫した展開を持っているのに対して、ジョシュアは13場の各話が弱い関連性で連なっており、予備知識なしで聞くと場面や状況が次々と変わっていくので戸惑わされる。
加えてジョシュアの物語を理解するにはヨシュア期の他、出エジプト記、申命記などの旧約聖書の知識が必要で、さらに各場面の持つ意味を理解するにはジャコバイトの乱とカンバーランド公の知識も必要になる。
Bellini Goten |
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