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ROSSINI 1817-1




LA CENERENTOLA

初演:1817年1月25日、ローマ、ヴァッレ劇場
形態:2幕のドランマ・ジョコーソ
台本:ヤコポ・フェレッティ
原作:シャルル・ペロー(1628−1703)の童話『サンドリヨン』
   →ニコロ・イズアール(1775−1818)の3幕のオペラ=フェリ(夢幻オペラ)《サンドリヨン》。台本はシャルル・ギヨーム・エティエンヌ。1810年2月22日、パリ、オペラコミーク劇場で初演。
   →ステーファノ・パヴェージ(1779−1850)の2幕のオペラ・セミセリア《アガティーナ》。台本はフランチェスコ・フィオリーニ。1814年4月10日、ミラノ、スカラ座で初演。

Sonia Ganassi, Antonino Siragusa, Alfonso Antoniozzi, Marco Vinco, Carla Di Censo, Paola Gardina, Simon Orfila
Orchestra e Coro del Teatro Carlo Felice, Genova
Renato Palumbo
Paul Curran
Genova, May 2006
TDK DVWW-OPLACEN (DVD NTSC)

Vesselina Kasarova, Antonino Siragusa, Bruno de Simone, Vladimir Chernov, Maria Laura Martorana, Laura Schmid, Paolo Pecchiodi
Müncher Rundfunkorchester, Chor des Bayerischen Rundfunks
Carlo Rizzi
München, November 2005
BMG RCA 82876865002

Ruxandra Donose, Maxim Mironov, Simone Alberghini, Luciano di Pasquale, Nathan Berg, Raquela Sheeran, Lucia Cirillo
London Philharmonic Orchestra, The Glyndebourne Chorus
Vladimir Jurowski
Peter Hall
Glyndebourne, 2 & 4 June 2005
OPUS ARTE OA0944D (DVD NTSC)

Joyce DiDonato, José Manuel Zapata, Bruno Praticò, Paolo Bordogna, Luca Pisaroni, Patricia Cigna, Martina Borst
SWR Radio Orchestra Kaiserslautern, Prague Chamber Choir
Albert Zedda
Bad Wildbad, 13 November 2004
NAXOS 8.660191-92

Sonia Ganassi, Juan Diego Florez, Bruno Praticò Roberto De Candia, Nicola Ulivieri, Ekaterina Morozova, Sonia Prina
Orchestra del Teatro Comunale di Bologna, Coro da Camera di Praga
Carlo Rizzi
Pesaro, August 2000
ROSSINI OPERA FESTIVAL

ROFの上演のライヴ録音。公演は、8月7、 10、 13、 17、20日に行われました。

Cecilia Bartoli, Raul Gimenez, Alessandro Corbelli, Enzo Dara, Michele Pertusi, Laura Knoop, Jill Grove
Houston Symphony Orchestra, Houston Grand Opera Chorus
Bruno Campanella
Houston, November 1995
DECCA UCBD-3008 (DVD NTSC Japanese domestic)

Jennifer Larmore, Raúl Giménez, Gino Quilico, Alessandro Corbelli, Alastair Miles, Adelina Scarabelli, Laura Polverelli
The Orchestra of the Royal Opera House, Covent Garden Opera Chorus
Carlo Rizzi
Lodon, April 1994
TELDEC 4509-94553-2

Cecilia Bartoli, William Matteuzzi, Alessandro Corbelli, Enzo Dara, Michele Pertusi, Fernanda Costa, Gloria Banditelli
Orchestra e Coro del Teatro Comunale di Bologna
Riccardo Chailly
Bologna, 22 June-2 July 1992
LONDON (DECCA) POCL-1310/1 (Japanese domestic)

Agnes Baltsam, Francisco Araiza, Simone Alaimo, Ruggero Raimondi, John del Carlo, Carol Malone, Felicity Palmer
Academy of St.Martin-in the Fiels
Neville Marriner
London, June 1987
PHILIPS 420 468-2

Lucia Valentini Terrani, Francisco Araiza, Domenico Trimarchi, Enzo Dara, Emilia Ravaglia, Marilyn Schmiege, Alessandro Corbelli
Cappella Coloniensis, Chor des Westdeutschen Rundfunks
Gabriele Ferro
Köln, August 1980
SONY CLASSICAL S2K 46 433

このCDには、録音データが 1980年3月3日、ロンドンとなっているますが、実際には1980年8月、ケルンでの録音です。

Giulietta Simionato, Ugo Benelli, Sesto Bruscantini, Paolo Montarsolo, Dora Carral, Miti Truccato Pace, Giovanni Foiani
Orchestra e Coro del Maggio Musicale Fiorentino
Oliviero De Fabritiis
Firenze, July-August 1963
DECCA 433 030-2

慣用版による演奏。クリティカルエディションと相当違いがあって面食らいます。
アリドーロのアリアに、アゴリーニ作の Vasto teatro è il mondo を採用しています。ただし、それに先立つレチタティーヴォ・セッコは採用せず、 Là del ciel nell'arcano profondoの前に置かれたシェーナ Sì. Tutto cangierò を用いています。


LA GAZZA LADRA

初演:1817年5月31日、ミラノ、スカラ座
台本:ジョヴァンニ・ゲラルディーニ Giovanni Gherardini
原作:ジャン=マリ=テオドール=ボードウィン・ドビニ Jean-Marie-Theodore-Badouin d'Aubigny およびルイ=シャルル・ケニエ Louis-Charles Caigniezの戯曲『泥棒カササギ La Pie voleuse』(1815年4月29日に、パリのポルト・サン=マルティン劇場で初演)


《泥棒かささぎ》の作曲

   《泥棒かささぎ》の作曲については、さほど詳しい状況は分かっていません。
 スカラ座との契約は、1816年10月頃までには結ばれていたようで、スカラ座の興行主、アンジェロ・ペトラッキの11月9日付けの手紙には、「題材はとても滑稽で、趣味がよくて(gracioso)、俗っぽくないフランスの劇から採用されるだろう。」と書かれています。ロッシーニの手紙によると、当初の台本作家はフェリーチェ・ロマーニが予定されていたようですが、翌年の3月にロッシーニがミラノに到着するまでの間に、何らかの理由で変更されてしまいました。
 台本作家のジョヴァンニ・ゲラルディーニ(1778−1861)は、1806年から1815年まで、ジョルナーレ・イタリアーノ誌の編集者を務めていました。彼は、1815年にスカラ座が主催した台本コンクールに《裁判官たちへの通知》という台本を提出します。受賞は逃がしたものの、この台本が2年後に取り上げられ、《泥棒かささぎ》になります。後に引用するロッシーニの手紙にもありますが、台本作家としての経験はほとんどなく、30代にもかかわらず「新人」の台本作家でした。
 さて、ロッシーニは、1817年1月25日にローマで《ラ・チェネレントラ》の初演が行われた後、2月11日にローマを発ち、3月の始め頃にミラノに到着しています。初演が5月31日ですから、随分と早くに現地に赴いたものです。そのすぐ後の3月19日付けの母アンナに宛てた手紙に、作曲についての最初の言及があります。「《泥棒かささぎ》という題名のオペラを書いています。台本は、新人(fresca data)の詩人によって詩が書かれたもので、結果としてそれは僕の気を狂わさせています。しかし、題材はとても美しく、もし神様がお気に召していただけるなら、私たちは呪わしい失敗をするかもしれません」。いかにもロッシーニらしい、逆説的で皮肉な書き方です。
 ともかく、この時期、ロッシーニが《泥棒かささぎ》を作曲中だったことが分かります。この手紙からおよそ二ヵ月後の5月17日付けの母への手紙では、オペラが完成し、5月26日に初演されるだろう、と書いています(実際には初演はもう5日遅れています)。


《泥棒かささぎ》のあらすじ

ファブリッツィオ・ヴィングラディート … 裕福な小作農 バス
ルチア … ファブリツィオの妻 メッゾソプラノ
ジャンネット … ファブリツィオの息子 兵士 テノール
ニネッタ … ファブリツィオの家の召使いの娘 ソプラノ
フェルナンド・ヴィッラベッラ … ニネッタの父 兵士 バス
ゴッタルド ※1 … 村の代官(ポデスタ ※2) バス
ピッポ … 若い農夫 ファブリツィオの家で働いている メッゾソプラノ
イザッコ … 行商人 テノール
アントーニオ … 看守 テノール
ジョルジョ … ポデスタの召使い バス
エルネスト … フェルナンドの同僚で友人、兵士 バス
村の裁判官 … バス
ほか

※1 台本、楽譜には、ゴッタルドという名前は全く使われていません。
※2 ポデスタ Podesa とは、地方行政長官のこと。一般に代官と訳されます。

第1幕
 ファブリツィオ家の庭。兵役についていた息子のジャンネットが帰ってくるというので、召使いたちが陽気に昼食の用意をしている。若い農夫ピッポは、誰かが自分の名前を呼ぶので戸惑うが、それがカササギだとわかって立腹、その姿に召使いたちは笑ってしまう。 ファブリツィオの妻ルチアが現れ、召使いたちに準備を急かし、ニネッタを呼ぶが、彼女の姿はない。ファブリツィオがやって来て、息子にはそろそろ結婚してもらいたいものだ、と語ると、それを聞いたかのようにかささぎが「ニネッタ」と答える。ルチアは、ニネッタが銀のフォークをなくしたことに腹を立てている。ファブリツィオはニネッタに同情的である。彼女の老いた父は兵隊として働き、母は亡くなってしまったからだ。
 苺摘みからニネッタが戻ってくる。愛するジャンネットだけでなく、父フェルナンドも村に帰ってくるというので、彼女は大喜びしている。ルチアはニネッタに銀食器類を渡し、今度はなくさないようにと釘を刺す。夫婦は息子の出迎えに行く。
 物売りイザッコが口上を歌いながらやって来る。ピッポから今日は用がないと言われ、必要な時は呼んでくれと去っていく。
 ジャンネットが帰り、ニネッタとの再会を喜ぶ。ピッポが乾杯の音頭を取り、酔っ払って上機嫌になる。ジャンネットは伯父に挨拶するため、人々と出かけていく。
 一人残ったニネッタの元に、彼女の父フェルナンドが現れる。ニネッタは喜ぶが、父の様子はどうもおかしい。フェルナンドは隊長を喧嘩で傷つけてしまい、逃亡してきたのだ。父と娘は嘆き合う。そこに代官(=ポデスタ)が近づいてくるので、父娘は慌てる。代官は、目をつけていたニネッタを我がものにするため、彼女が独りでいる時を狙ってやって来たのだった。ニネッタは父を疲れた旅人と誤魔化し、フェルナンドは寝た振りをする。代官はニネッタを口説きにかかるが、代官の召使いジョルジョが来て、警察からの緊急の報せを届ける。それは、フェルナンドの手配書だった。代官が眼鏡を捜している隙に、ニネッタは父親を逃がそうとする。フェルナンドはお金がないので、娘に銀の食器をお金にして、栗の木の穴に隠してくれと頼む。フェルナンドが立ち去ろうとすると、代官がニネッタに手配書を読んでほしいと頼む。ニネッタは、手配書の名前、人相、年齢を全く変えて変えて読む。代官はフェルナンドの顔を見るが、話と全く違う風貌に、出て行くよう命じる。二人きりになり、代官はニネッタを口説き出すが、フェルナンドが恥を知れと代官に食って掛かる。代官は怒り立ち去る。
 イザッコが再びやってくるので、ニネッタはピッポにかささぎの鳥篭を取りに行かせ、その間にイザッコに銀食器を売ってお金を得る。かささぎは鳥篭から逃げていたが、自分で鳥篭に戻ってくる。ニネッタは、お金が必要だったので、イザッコに少しばかり食器を売ったと話す。ピッポが去ると、ニネッタはお金を栗の木に隠しに行こうとするが、そこにちょうどジャンネットたちとが代官を連れて帰宅する。ルチアは、スプーンが一本足りないとニネッタを叱る。代官が、召使いの盗みは死刑だというので、一同は驚く。代官は捜査に乗り出す。ニネッタは無実を訴える。代官は、ニネッタの姓から、彼女が脱走兵の娘であることに気付く。ニネッタは涙を拭うためにハンカチを取り出そうとして、先ほどのお金を落としてしまう。ピッポは彼女をかばおうと、イザッコに何か物を売って得たお金だと証言するので、逆に彼女は疑われてしまう。代官は証拠としてお金を奪い取ってしまう。イザッコが呼び出され、ニネッタからスプーンとフォークを一本ずつ(無くなった食器の数と同じ)買ったというので、ジャンネットまで彼女に疑いの目を向け始める。イザッコはさらに、それらはもう転売してしまった、そして頭文字に(ファブリツィオの頭文字と同じ)F.Vとあったことを証言する。代官はニネッタを投獄するよう命じ、彼女を抱きしめるジャンネットを引き離す。ニネッタは悲しみ別れを告げ、他の人たちは代官への怒りを露にし、幕となる。

第2幕  牢獄。アントーニオがニネッタを牢の中から明るいところへ出してあげている。彼女がピッポに伝言を頼む。ジャンネットがニネッタと面会しに来る。彼女を助けたいジャンネットは、彼女が抗弁しない理由を聞き出そうとするが、彼女は、理由は言えない、処刑された後にいつか分かるでしょう、と答える。二人は悲しむ。アントーニオが、代官が来るので二人に戻るよう告げる。二人は天に、愛する人を返してくださいと祈る。
 代官はニネッタに、助かりたいなら自分のものになれ、と迫るが、ニネッタは拒む。衛兵たちが代官に、会議に向かうよう催促する。代官は処刑をちらつかせニネッタにもう一度迫るが、彼女は撥ね付ける。判決の時に後悔しても遅いぞと言い放ち、代官は会議に向かう。その様子を見ていたアントーニオは、代官の悪巧みに感づく。ピッポがやって来る。ニネッタは彼に、お金を栗の木の穴に隠してほしいと頼み、その抵当として十字架を渡す。ピッポは抵当なんていらないと断るが、ニネッタは、今日にも処刑されるかもしれないのだから、形見として十字架を持っていてほしいと頼む。ピッポは涙ぐむ。さらにニネッタは、自分が処刑される時にジャンネットに指環を渡し、死ぬまで愛していたと伝えてほしいと頼む。ピッポは彼女の誠実さに打たれ、全てを約束する。二人は泣きながら別れる。
 ルチアは一人、ニネッタが本当に犯人なのか考えいる。そこにフェルナンドが現れ、娘について尋ねる。そして、盗みの罪で間もなく彼女に判決が下ることを知る。フェルナンドは激しく驚き、娘を救うことを決意する。ルチアは、こうなったのも自分のせいだと、天に救いを願う。
 裁判。判事たちの全員一致でニネッタに有罪が宣告される。裁判官は、ニネッタを呼び出す。裁判官が死罪の判決を読み上げる。ジャンネットは、彼女には何か隠している秘密があるはずだ、と抗弁するので、裁判官と判事たちはニネッタに話をするよう求める。しかし黙秘したまま彼女は、処刑場に連行するよう命じられる。そこにフェルナンドが駆け込んで来る。彼は自分の命と引き換えに娘を助けようとしたのだが、代官が手配書を持っていたので正体が分かり、逮捕されてしまう。フェルナンドの必死の訴えにもかかわらず、娘は処刑場に、父は牢獄に送られることになる。ニネッタはフェルナンドに、父を救うため死に行くのに、どうして捕まりに来てしまったの、と嘆く。ジャンネットたちは、詳しい事情を話すよう求めるが、判事たちに遮られ、二人はばらばらに連れて行かれる。代官は、思わぬ事態になってしまったことに動揺する。
 教会でニネッタの疑いが晴れるよう祈ってきたルチアは、ニネッタを娘として愛し、怒りっぽい自分の性格を直そうと決意する。
 フェルナンドの友人エルネストが村にやって来るが、人気がないのをいぶかしげる。彼はピッポに、代官の館とファブリツィオ家の場所を尋ねて去っていく。
 栗の木にお金を隠してきたピッポが、残りが幾らだか数えている。彼がアントーニオから裁判の様子を聞いている間に、鳥篭から逃げ出したかささぎが、ニネッタの十字架を奪って飛び去ってしまう。ピッポとアントーニオはかささぎを追いかける。
 ニネッタが処刑台へと連れられて行く。彼女は教会の前で立ち止まり、自分が犠牲になるので父の命は救ってください、と神に祈る。そして再び死刑台に向かう。
 鐘楼からピッポが、かささぎが盗んだ食器類が全て見つかったことを知らせる。彼は鐘を打ち鳴らし、集まった人たちにニネッタが無実だと訴える。ジャンネットとファブリツィオは食器を持って急いで刑場に向かう。銃声が轟く。ルチアはニネッタが死んだと思い嘆く。代官も衝撃を受ける。だが銃声は祝砲だった。間一髪で助かったニネッタを、人々が出迎える。ジャンネットは、無罪の証書を代官に渡す。ニネッタは、自分が助かったことよりも、父の安否を心配している。するとフェルナンドが、恩赦が下ったと現れ、父娘は抱き合って喜ぶ。ニネッタとジャンネットの結婚が許され、後悔する代官を尻目に、皆の喜びで幕となる。


《泥棒かささぎ》の音楽

 《泥棒かささぎ》の音楽の構成は次のようになっています。

《泥棒かささぎ》の音楽設計一覧図

 (以下準備中)。


《泥棒かささぎ》の初演

 初演は、1817年5月31日、ミラノのスカラ座で行われました。  初演の出演者たちは、以下のような人たちでした。


NinettaTeresa Bellocsoprano
PodestaAntonio Ambrosibasso
GiannettoSavino Monellitenore
FernandoFilippo Gallibasso
FabrizioVincenzo Botticellibasso
LuciaMarietta Castiglionimezzosoprano
PippoTeresa Gallianismezzosoprano
IsaccoFrancesco Biscottinitenore
GiorgioPaolo Rossignolibasso

 コンサートマスター(実質指揮者)は、アレッサンドロ・ロッラ(Alessandro Rolla 1757−1841)。ロッラは、パガニーニの師匠としても知られているヴァイオリンの名手で、1802年から1833年までの20年以上に渡ってスカラ座のオーケストラのコンサートマスターを務めており、スカラ座隆盛の立て役者の一人です。
 マエストロ・アル・チェンバロはもちろんロッシーニ。
 演出は、アレッサンドロ・サンキリコが受け持ちました。

 ニネッタを歌ったテレーザ・ベッロク(1784−1855)は、北イタリアで活躍したソプラノ。《幸福な間違い》初演(1812年1月8日 ヴェネツィア サン・モイゼ劇場)で、イザベッラ役を歌っています。
 フィリッポ・ガッリ(1783−1853)は、ロッシーニ時代の極めて重要なバス。ロッシーニの初演に関わったものだけでも、《幸せな間違い》のバトーネ、《試金石》のアスドゥルバーレ、《アルジェのイタリア女》のムスタファ、《イタリアのトルコ人》のセリム,《トルヴァルドとドルリスカ》のオルドウ公爵、《泥棒カササギ》のフェルナンド、マオメット2世のタイトルロール、《セミラーミデ》のアッスール、さらにそれ以外の多くのバス役も各地で歌っています。
 アントーニオ・アンブロージ(1786−?)は、スカラ座や、後にサンカルロ劇場でも活躍したバス。ロッシーニのオペラの初演では、《アデライデ・ディ・ボルゴーニャ》(1817)のベレンガリオ、《マティルデ・ディ・シャブラン》(1821)のジナルド、《ゼルミーラ》(1822)のポリドーロを歌っています。
 サヴィーノ・モネッリ(1784−1836)は、1820年代を中心に、主として北イタリアで活躍したテノール。ロッシーニのオペラの初演では、《アデライデ・ディ・ボルゴーニャ》(1817)のアデルベルトを歌っています。

 初演は大成功を収め、全部で27回の上演がありました。ロッシーニ自身、6月3日付けの母への手紙で《泥棒かささぎ》の成功を報告しています。


改訂

 ロッシーニは、1818年6月10日にペーザロのヌオーヴォ劇場(現在のロッシーニ劇場)の柿落としで《泥棒かささぎ》を上演するにあたり、いくつかの改編を施しています。さらに、1819年7月に、ナポリのフォンド劇場で上演する際にも、いくつかの手直しをしています。
(以下準備中)


初演後と近代の上演

 初演が成功したことで、かなり長いこと、各都市で上演される人気作になりました。1867年、パリのイタリア劇場での上演が、ヨーロッパでの19世紀最後の上演のようです。そして1883年11月のニューヨークでの上演で、一旦上演が途絶えてしまいます。  20世紀に入り、《泥棒かささぎ》は再び上演されますが、大幅に改竄されたものでした。イタリアの作曲家、リッカルド・ザンドナーイが、1941年に《泥棒かささぎ》を編曲し、1941年8月21日のペーザロでの上演に用いています。ザンドナーイは1935年からペーザロ音楽院の院長を務めていたことから、この上演に用いる譜面の作成に携わることになったのでしょう。
 この楽譜がリコルディ社の基本となってしまったため、戦後の上演でもしばらくはザンドナーイの楽譜を使用せざるを得ませんでした。)の上演も、1959年のウェクスフォード音楽祭での上演も、ザンドナーイの楽譜による上演でした。
(以下準備中)


関連項目

《泥棒かささぎ》 ペーザロ ヌオーヴォ劇場 1818年6月
《泥棒かささぎ》 ナポリ フォンド劇場 1819年7月
《泥棒かささぎ》 ナポリ サンカルロ劇場 1820年8月


参考資料

Gioachino Rossini La gazza ladra, Edizione Critica, a cura di Alberto Zedda / Fondazione Rossini / 1979
Eduardo Rescigno: Dizionario Rossiniano / Biblioteca Unicersale Rizzoli / 2002 / ISBN 88-17 12894-5
スタンダール: ロッシーニ伝 山辺雅彦訳 みすず書房
水谷彰良 ロッシーニ全作品事典(11) 《泥棒かささぎ》 / ROSSINIANA 日本ロッシーニ協会紀要第16号→日本ロッシーニ協会サイト内に転載

EJS: Discography of the Edward J. Smith Recordings / William Shaman, William J. Collins, Calvin M. Goodwin / Greenwood / 1994 / ISBN 0-313-27868-7
More EJS: Discography of the Edward J. Smith Recordings / William Shaman, William J. Collins, Calvin M. Goodwin / Greenwood Press / 1999 / ISBN 0-313-29835-1

Cinzia Forte, Lorenzo Regazzo, Simon Edwards, Natale de Carolis, Franco Vassallo, Lidia Tirendi, Marina Rodriguez Cusi, Luigi Petroni, Enrico Cossutta, Andrea Cortese, Mattia Nicolini, Antonio Casagrande
Orchestra e Coro del Teatro La Fenice, Venezia
Giancarlo Andretta
Venezia, 31 January 1998
MONDO MUSICAMFON 20111

Katia Ricciarelli, Samuel Ramey, William Matteuzzi, Ferruccio Furlanetto, Roberto Coviello, Luciana D'Intino, Bernadette Manca di Nissa, Oslavio Di Credico, Pierre Lefebvre, Francesco Musinu, Marcello Lippi, Enzo Capuano
Orchestra Sinfonica della RAI di Torino, Coro Filarmonico di Praga
Gianluigi Gelmetti
Pesaro, 11-24 August 1989
SONY S3K 45 850

ROFの上演の録音。公演は8月16、19、22、24日に行われていますので、上演とリハーサルを含めて編集したもののようです。

Ileana Cotrubas, Alberto Rinaldi, David Kuebler, Brent Ellis, Carlos Feller, Nucci Condo, Elena Zilio, Erlingur Vigfusson, Eberhard Katz, Klaus Bruch, Ulrich Hielscher, Francisco Vergara
Gürzenich Orchester Köln, Chor der Oper Köln
Bruno Bartoletti
Michael Hampe, Mauro Pagano
Köln, June 1984
KULTUR D0051 (DVD NTSC)

Rosetta Pizzo, Alberto Rinaldi, Pietro Bottazzo, Angelo Romero, Francesco Signor, Nucci Condò, Helga Müller Molinari, Luigi Pontiggia, Bruno Bulgarelli, Tito Turtura, Angelo Nosotti
Royal Philarmonic, Ambrosian Opera Chorus
Alberto Zedda
London, 17-31 July 1978
WARNER FONIT 3984 29182-2

Yasuko Hayashi, Spiro Malas, Pietro Bottazzo, Carlo Cava, Alberto Rinaldi, Nucci Condo, Lucia Valentini-Terrani, Dino Berghi, Athos Cesarini, Giovanni Amodeo, Luciano Bonsi, Paolo Dari
Orchestra e Coro del Teatro dell'Opera di Roma
Alberto Zedda
Roma, 24 November 1973
ESTRO ARMONICO EA 040 (LP)

上記の通り、これがゼッダ版による最初の上演で、事実上の復活蘇演でした。
ニネッタを林 康子が歌っています。本人が書いた文章によると、本来ニネッタはヴァレンティーニ=テラーニが予定されていたものの、ソプラノのニネッタ役に合わなかったので、林が起用されたそうです。




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1817-2 1818 1819-1 1819-2 1820
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1827 1828 1829 appendix


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