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1816-2




LA GAZZETTA

初演:1816年9月26日、ナポリ、フィオレンティーニ劇場
台本:ジュゼッペ・パロンパ




あらすじ

第1幕
 パリ。旅人たちが世界を巡り歩く素晴らしさを述べている。青年アルベルトは、世界中捜しても理想の女性に会えないことを嘆いている。ラ・ローゼ夫人、トラヴェルセン氏が加わり、皆で新聞を読み出す。アルベルトは、パリでも理想の女性がみつからないとラ・ローゼ夫人にこぼす。
 ナポリ人の元商人で大金持ちのドン・ポンポーニオが登場。彼は娘リゼッタの婿探しに新聞広告を出したので、きっと世界中の男が殺到するだろう、と捲くし立てる。ところがその広告を読んだラ・ローゼ夫人とトラヴェルセン氏は大笑い。広告の主がポンポーニオだと分かり、二人は好奇心から彼に話し掛けるが、だんだん険悪になってしまい、アルベルトが止めに入る。
 宿。主のフィリッポが、新たな外国人客が来ると給仕たちに指図をしている。この宿には既にポンポーニオ父娘が滞在中で、フィリッポはポンポーニオの娘リゼッタと恋に落ちている。そのため、彼は新聞広告の件で頭を悩ませている。商人アンセルモが娘のドラリーチェと宿に到着し、部屋に案内される。リゼッタが登場。何不自由なく育った成り金の娘らしく、楽しむためにお金をたくさん使いたいわ、と歌う。そこに新聞広告に興味を持ったアルベルトが宿を訪れ、冷やかし半分でリゼッタへの候補者に志願する。困ったフィリッポは、リゼッタを自分の妻だと紹介してその場を凌ぐ。するとアルベルトは、一人でやってきたドラリーチェを新聞広告の娘だと思い込み、いきなり求婚をする。突然のことに不信がるドラリーチェに、あなたの父親が新聞広告を出したのです、と説明、彼女はショックを受ける。冷やかしのつもりのアルベルトだったが、ドラリーチェを愛してしまい、ポンポーニオに「娘さん」と結婚させてほしいと願い出る。ポンポーニオが、アルベルトでは名前が平凡すぎるとケチをつるので、アルベルトはマケドニアのフィリッポ王の末裔だとハッタリをかます。これにポンポーニオは喜び、リゼッタに「フィリッポ」との結婚が決まった告げる。相手がフィリッポと聞いて喜ぶリゼッタ。しかし一同が集まると、どうも話が噛み合わない。結局、リゼッタとフィリッポが恋仲と判明、ポンポーニオは怒り出す。彼は仕返しに自分の嫁探しの新聞広告を出そうとするが、間抜けな従者トンマジが「ガリア娘 gallina =フランス娘」を「雌鶏 gallina」と勘違いしてポンポーニオを呆れさせる。そこにドラリーチェがやって来て、恋をしてしまった心情を明かす。
 ポンポーニオは、宿の主の分際でうちの娘と結婚する気か、とフィリッポに文句を言う。しかしフィリッポは、娘さんが新聞広告の件で腹を立て、その仕返しのため一芝居打ち、自分はそれに加担しただけだ、と誤魔化す。そしてポンポーニオを信用させるために、その場にいたラ・ローゼ夫人を妻ということにしてしまう。さらにフィリッポは、もうすぐ金持ちのクウェーカーがリゼッタに求婚に来ると告げる。入れ替りに現れたリゼッタもクウェーカーの話題を切り出すが、ポンポーニオからフィリッポが既婚者だと聞かされ、彼女は裏切られたと勘違いする。父の言うことを聞けというポンポーニオに対して、リゼッタは、女は自由にさせておくべき、と言い返して丸め込んでしまう。  クウェーカーの紳士(フィリッポの変装)が従者たちを引き連れて現れ、広告を見て応募しに来たと告げる。ポンポーニオは彼を気に入るが、フィリッポに裏切られたと思い込んでいるリゼッタは、どんな人だか良く見なきゃダメ、と言い出し、芝居がバレそうになる。一同の混乱で幕となる。

第2幕
 宿。トラヴェルセン氏はアンセルモと落ち合い、早速ドラリーチェとの結婚を申込む。アンセルモは乗り気だが、アルベルトを愛しているドラリーチェは困ってしまう。ラ・ローゼ夫人は、結婚は迅速にすべき、と助言する。トラヴェルセン氏からドラリーチェの婚約を聞かされたアルベルトは、フィリッポに相談することにする。そのフィリッポは、未だ怒りの収まらないリゼッタに釈明するが、彼女は納得してくれない。しかしフィリッポが自殺を仄めかすと、リゼッタも意地を張り続けられず、二人は仲直りする。一方、アルベルトは、やっと見つけた愛が失われそうになり、苦しんでいる。だがフィリッポから、ドラリーチェもアルベルトを愛していると聞かされ、希望を取り戻す。そしてフィリッポは、ポンポーニオを足止めさせるため、彼に決闘を申し込んだので、アルベルトも加わるよう要請する。
 庭。フィリッポがポンポーニオに、クウェーカーたちが帰ってしまったのはあなたが無礼な真似をしたからだ、と決闘を申込む。二人が戦っていると、アルベルトが、娘との結婚を認めておいて反故にした、とこれまた決闘を申し込む。まずフィリッポとアルベルトが決闘を始めるが、フィリッポが、宿の主人としては客人を優先せねばならない、まずポンポーニオとアルベルトの決闘を先にすべきだ、と言い出し、ポンポーニオは仰天。結局和解してしまう。
 部屋。ドラリーチェがリゼッタに、偽のトルコ人の仮面舞踏会を説明している。皆でトルコ人に変装して正体を隠し、その混乱に乗じて駆落ちをするのだ。そこにポンポーニオが、宿を出発すると娘を呼び出すので、リゼッタは気絶するふりをしてとりあえずの出発を延ばす。そして彼女は、明日になって自分がいなくなっても知りませんよ、と父に警告する。そのポンポーニオもフィリッポから、娘を見張るためトルコ人の扮装をして仮面舞踏会に参加するよう告げられる。そして、もし娘さんが大金持ちのトルコ男と結婚したら、世界中から祝福されるでしょう、と大げさに歌う。
 仮面舞踏会の会場。皆がトルコ風の扮装をしており、ポンポーニオは娘を見分けられず当惑している。フィリッポとリゼッタ、アルベルトとドラリーチェは、会場を抜け出し結婚してしまおうと目論む。一方ポンポーニオは、娘が見つからないと騒ぎ始める。ドラリーチェが姿を消したので、アンセルモとトラヴェルセンも駆けつけるが、ラ・ローゼ夫人から、娘さんたちはもう結婚してしまったと告げられる。アルベルトとドラリーチェ、フィリッポとリゼッタがそれぞれ許しを請う。ついにポンポーニオも折れ、めでたしで幕となる。


 クエーカー Quakerとは、17世紀で英国で設立されたキリスト教集団「友の会 Society of Friends」会員を指す俗称。quakerとは文字通りには「震える人」である。《新聞》では、オランダから来た伝道師という設定になっている。

Cincia Forte, Marisa Martins, Agata Bienkowska, Charles Workman, Simon Orfila, Marc Canturri, Pietro Spagnoli, Bruno Praticò
Orquestra de l'Acadèmia del Gran Teatre del Liceu, Intermezzo Choir Maurizio Barbacini
Barcelona, 1 & 3 July 2005
OPUS ARTE OA0953D (DVD NTSC)

Stefania Bonfadelli, Marisa Martins, Laura Polverelli, Antonio Siragusa, Giampiero Ruggieri, Christophoros Stamboglis, Pietro Spagnoli, Bruno Praticò
Coro da Camera do Praga, Orchestra Givanile del Festival
Maurizio Barbacini
Pesaro, 11, 14, 17, 20, 22, 24 August 2001
ROSSINI OPERA FESTIVAL 10043

Teresa Verdera,Mojka Vedernjak, Angelika Kirchhof, Patrizio Saudelli, Christian Tschelebiew, Kasimierz Sergiel, Gianpiero Ruggeri, Ezio Maria Tizi
Kammerchor Motet et Madrigal Posen, Minsk Orchestra
Wihelm Keitel
Rügen, 22 & 23 July 1995
Deutsche Schallplatten DS 1053-2

Gabriella Morigi, Barbara Lavarian, Adriana Cicogna, Paolo Barbacini, Giacomo Colafelice, Giuseppe de Matteis, Armando Ariostini, Franco Federici,
Coro Francesco Cilea, Orchestra Sinfonica di Piacenza
Fabio Luisi
Savona, 14 November 1987
BONGIOVANNI GB 2071/72-2

Eva Czapò, Benedetta Pecchioli, Marissa Brumby, Giuseppe Baratti, Gino Orlandini, Giovannni Faverio, Gian Carlo Ceccarini, Mario Chiappi
Coro e Orchestra della Radiotelevisione della Svizzera Italiana
Bruno Rigacci
Lugano, January 1977
NUOVA ERA 1172


OTELLO

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