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ROSSINI
1810



LA CAMBIALE DI MATRIMONIO

初演:1810年11月3日、ヴェネツィア、サン・モイゼ劇場

 1810年の秋、ヴェネツィアのサン・モイゼ劇場では、新作のファルサ(一幕ものの軽い喜劇、笑劇)を依頼していた作曲家が降りてしまい、急遽別の作曲家を捜さなくてはならなくなりました。
 これを聞いた、当時この劇場で歌っていたジュゼッペ・モランディとローザ・モロッリの夫妻は、劇場責任者のカヴァッリ侯爵に少年の面影残るある若者を推薦しました。知合いの音楽一家の18歳の息子、ジョアキーノ・ロッシーニです。
 侯爵としては他に選択の余地はなく、彼に賭けるしかありませんでした。ロッシーニといえば、一通りの勉強を終えプロとしての作曲活動の場を渇望した時期でした。両者の思惑が一致し話はトントンと進みます。
 そうした事情から、作曲はごく短期間になされたようです。その証拠に、序曲は前年ボローニャで修行中にかかれたものを転用しています。
 この曲はしばしばハイドンやモーツァルト、またイタリアオペラの先輩であるチマローザの影響が指摘されます。もちろんそうしたものはあちこちに散在しています。
 しかしそうした影響は既に模倣の域を超えており、後年のロッシーニを特徴付ける音楽の機敏な躍動、あのロッシーニ以外の誰にも出せないはっきりとした生命力というものがこの若書の作品から噴き出しているのです。
 物語はファルサとしては大変良く出来ています。音だけでは分かりませんが、カナダからやってきた珍妙な求婚者の姿は、貿易港ヴェネツィアの人たちには十分受けたでしょう。
 ともかく今日でも舞台に乗せて遜色がないのですから、全く18歳のロッシーニは大した若者です。

John del Carlo, Janice Hall, David Kuebler, Alberto Rinaldi, Carlos Feller, Amalia Felle
Radio-Sinfonieorchester Stuttgart
Gianluigi Gelmetti
Michael Hampe
Schwetzingen, 6-9 May 1989
Euroarts 2054968 (DVD NTSC)

Paolo Bordogna, Desireé Rancatore, Saimir Pirgu, Fabio Maria Capitanucci, Enrico Marabelli, Maria Gortsevskaya
Orchestra Haydn di Bolzano e Trento
Umberto Benedetti Michelangeli
Pesaro, August 2006
DYNAMIC CDS529

Enzo Dara, Soeun Jeun, Luca Canonici, Roberto Frontali, Stefano Rinaldi Miliani, Marilena Laurenza
Orchestra Sinfonica della RAI di Torino
Donato Renzetti
Pesaro, August 1991
OPERA RICORDI FONIT CETRA RFCD 2011

Michel Trempont, Peter Harvey, Eleanor Oldham, Jean-Paul Fouchecourt, Miriam Ruggeri, Till Fechner
Le Concert Spirituel
Hervé Niquet
Paris, 22-25 June 1991
ACCORD 243022

Bruno Praticò, Alessandra Rossi, Maurizio Comencini, Bruno de Simone, Francesco Facini, Valeria Baiano
English Chamber Orchestra
Marcello Viotti
London, 20-23 August 1990
CLAVES 50-9101




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