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GAETANO DONIZETTI

UNA FOLLIA



1幕のファルサ Farsa in un atto
初演 1818年12月15日[注 次項を参照] ヴェネツィア サン・ルカ劇場
台本 バルトロメオ・メレッリ Bartolomeo Merelli(1794―1879)
原作 不明。ウィリアム・アシュブルックは、ジャコモ・コルデッラ Giacomo Cordella 作曲の同名作(1813 ナポリ)へのアンドレア・レオーネ・トットラ Andrea Leone Tottola の台本ではないかと推測している。



作曲、初演、作品の現状
 《ブルグントのエンリーコ》が成功を収めたことで、ドニゼッティは興行主パオロ・ザンクラから再び新作の依頼を受けた。それがこの《ばか騒ぎ》である。台本は再び同郷のバルトロメオ・メレッリが受け持った。
 この《ばか騒ぎ》がドニゼッティの最初の喜劇オペラということになるが、残念ながら楽譜も台本も残っておらず、情報は極めて少ない。
 同じ一座が同じ劇場で上演しているので、出演歌手は《ブルグントのエンリーコ》と同一のはずである。

 《ばか騒ぎ》の音楽は、長いこと僅か8小節だけが知られていた。これはドニゼッティが後に妻となるヴィルジニア・ヴァッセッリに贈った、それまで作曲した作品の一部を寄せ集めた楽譜集に、この作品のどこかの8小節が含まれていたからである。
 ところが近年になって、ドン・ホワイトとパトリック・シュミットが、ボローニャ音楽院の図書館から《ばか騒ぎ》のシンフォニアとされる曲の手書きのパート譜を見つけ出した。序曲なので当然歌のパートはないが、それでもいくらかこの作品の様子が分かるようになった。

 物語についても概要は分からないが、1818年12月24日付のヴェネツィアの新聞『ヴェネツィア新観察者 Nuovo Osservatore Vneziano』紙の評でも、メレッリが晩年の1875年に出版した『80歳のある老音楽愛好家の記憶から拾い集められたドニゼッティとマイールについての伝記的要約 Cenni biografici di Donizetti e Mayr raccolti dalle memorie di un vecchio ottuagenario dilettante di musica』でも、この作品の題名が《喋る肖像画 Il ritratto parlante》になっていることからすると、そういった場面が含まれていたのだろうと想像される。

 初演は1818年12月15日に、ヴェネツィアのサン・ルカ劇場で行われた(ウィリアム・アシュブルックは『ドニゼッティと彼のオペラ』で12月17日を初演日としているが、その理由を明かしていない)。先の『ヴェネツィア新観察者』紙の評は「歌の書法は特に優れたものではない。」と芳しいものではない。

 ドニゼッティとザンクラの関係はここで一旦終わりになる。およそ2年後の1820/1821年のカーニヴァル・シーズンにマントヴァで上演した《村の結婚式》が、再びザンクラの一座によって上演された可能性が高いが、確証はない。
 ともかくも、ドニゼッティは次の新作を発表するまで1年間待たねばならなかった。


邦訳について
 Una follia の物語が分からない以上、適切な邦訳を付けるのは難しい。follia は『狂気』という意味だが、『乱痴気騒ぎ』のような意味もあり、作品がファルサであることを踏まえ《ばか騒ぎ》とした。


参考資料
William Ashbrook / Donizetti and his Operas / CAMBRIDE UNIVERSITY PRESS / Cambridge / 1983 /ISBN 0-521-27663-2
William Ashbrook / Donizetti La vita / EDT / Torino / 1986 / ISBN 88-7063-041-2
Guido Zavadini / Donizetti / ISTITUTO ITALIANO D'ARTI GRAFICHE / Bergamo / 1948
ガエターノ・ドニゼッティ ロマン派音楽家の生涯と作品 / グリエルモ・バルブラン,ブルーノ・ザノリーニ / 高橋 和恵 訳 / 昭和音楽大学 / 神奈川県 / 1998 / ISBN4-9980713-0-0


L'Orchestre Symphonique de la RTBF
Silvano Frontalini

Bruxelles
Novenmber 1987
BONGIOVANNI GB2049

序曲を収録。






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